真夏のX'mas
夜明け前の朝、1人黙々と特注の準備をしていたら、先輩が、大きな白いビニール袋を背中に担いで出勤して来ました。
思わず、「サンタクロースみた~い!」と言うと、その先輩は、「メリークリスマ~ス!」と言いながら、ヨタヨタとどこかへ消えて行きました…
その袋の中は、ご想像にお任せ致します
こうして働き者の先輩は、皆が出勤する前から、せっせと動いています。そんな姿を見ていると、ついていこうと思います。
その光景を見ながら、ふと、X'masに起きたある不思議な出来事を思い出しました…
私が、オーストラリンドではじめての真夏のX'masを迎えようとウキウキしていた頃、日本から贈り物が届きました。
それは、母からの贈り物でした。
開けて見ると、日本のお菓子がいっぱい入っていて、「皆で味見してみてね…」とのことでした。
嬉しいなぁ~、懐かしいなぁ~、美味しいなぁ~とゴソゴソ箱の中をあさっていると、無地の赤い封筒が入っていました。
開けて見ると、ダックスフントがサンタクロースの格好をした写真が表紙のクリスマスカードでした。
開くと、「メリークリスマ~ス♪…」とメロディが流れました。
…そこまでは、良いのです。
問題は、メッセージの内容なのです。
私が疑問に感じたきっかけは、「かあさんより」という言葉でした。なぜかというと、我が家では、この様な呼び方はしないからです。
母に、「…クリスマスカードも入れてくれた?」と聞いてみました。すると、母は入れていないとのこと。ここで、いっきに疑問は膨れ上がりました。
疑問1 私を『ちゃん付』で呼ぶ人はあまりいないこと。
疑問2 『かあさんより』と、嘘をついていること。
疑問3 そもそも、この文字に心当たりがないこと。
疑問4 私がはじめての真夏のX'masを過ごすことや、もうすぐ帰国予定なことを知っていること。
疑問5 クリスマスに間に合わなくてごめんねって…間に合ってるし、2人でさびしいって…母は、私の父・弟と過ごしていたし。
疑問6 母曰く、贈り物の準備は購入から箱詰めまでずーっと1人で行ない、急いで梱包したので、誰かがカードを忍ばせる隙はなかったとのこと。
疑問7 空港で、検査の為に開封された形跡や、その際に入っているはずのお知らせ通知さえも、その時はなかったこと。
疑問8 万が一、空港での検査官のハッピーサプライズだとしても…なことはある訳ないだろう。
帰国後、母をはじめ家族にそのカードを見せました。
私が思っていたより、皆、一瞬で真顔になり、真剣に考えはじめてしまいました※誰かが「…驚いた~?!」と、タネあかししてくるかも…と期待していたのに、予想外です。
ありとあらゆる情報を取りまとめ、出した結論は、「どこかに、私の幸せを願ってくれている方がいるのね、ありがとう。」でした。
今でも、そのカードを開けば「メリークリスマ~ス♪…」と、軽快なメロディが流れます…。
私は今年、変化の年にしようと思いながら過ごしています。このカードを贈ってくれた方にも、きっと私の新たな良い知らせが届く様に、頑張りたいと思います。
一歩を踏み出す時は、とても勇気が必要です。
私はそんな時、心臓がドキンドキンとします。
でも、一歩を踏み出せた時は、絶対失敗なんてなくて、成功しかないと思うのです。何だか、上手な言葉が見つかりません。
日々、様々なニュースを耳にしますが。
怒るなら、怒られる方が良い…
噂するなら、される方が良い…
騙すなら、騙される方が良い…
あなたにはその方が丁度良いわ…と、自分に言い聞かせています。
正当化したい訳ではなく、どっちが良いという訳でもなく、私は(きっと責めるばかりで)人の怒り方が下手だし、噂でなく自分がどう思うかだと思うし、騙す方がきっと辛いと思うからです。
先の先輩の様に、ちょっと大雑把だけど、ユーモアがあって、ここぞという時に頼りになる(方なのです…)、人が必要な時に人の気持ちに寄り添える人でありたいと思います。
そして、自分が思っているよりも、自分は守られている存在なのだと思いました。